先月、月の半分以上が雨に見舞われた東京ですが、そんな長雨で困ったことといえば洗濯物。
乾燥機能付き洗濯機や浴室乾燥機など”洗濯物を乾かす設備”の世帯普及率は50%以上と言われているものの、保有者の約60%がこれらを使わないとといった声が。
「自宅の乾燥機では完全に乾かない」
「電気代がかかる」
といったことが、大きな理由のようです。
そのため長雨になると、家庭用乾燥機よりも圧倒的に早く乾く、コインランドリーの乾燥機を利用する方が増えるのだそう。ですが長雨に限らず、都市部ではコインランドリーの業績が絶好調。古くてダサい場所といったこれまでのコインランドリーのイメージを一新した”ソーシャルランドリー”とは、一体何なのでしょうか。
電化元年と言われる1953年ごろに登場した、いわゆる「三種の神器」。これらは、1970年以降は98%近い普及率となっています。
そのためコインランドリーといえば、洗濯機が壊れた場合や下宿先(シェアハウス)の洗濯機が取り合いで使えないなど、”仕方なく使う”といったイメージがありました。一人暮らしの若者が、殺風景なコインランドリーのなかで本を読むといった光景は、昔のドラマや映画などで度々登場したものです。
しかしここ数年、洗濯をすること以外の付加価値をつけたおしゃれなコインランドリーであるソーシャルランドリーなるものが登場。
自宅に洗濯機や乾燥機があるにも関わらず、一人暮らしの方や主婦の方がわざわざ足を運ぶのだそうです。
その理由が何かといえば、ソーシャルランドリーにはカフェやバーといった飲食店が併設されているため。
パイプ椅子に座り、缶ジュース片手に本を読むといった従来の待ち方ではなく、Wi-Fiが使えて雑誌も読み放題といったカフェで、ゆったりと洗濯物が乾くのを待つことができるのです。
また内装もオシャレなため、ママ友とお茶をする場所として利用したり、パソコンを持ち込んで仕事をしたりと、カフェ単体としても使えるのだそう。ワークショップを開催して地域の社交場とするなど、コインランドリーは洗濯をする場所からまさにソーシャルな場所へと変わりつつあるのです。
その他にも、布団やカーテンといった家庭の洗濯機には入らない大型ファブリックが洗える点もコインランドリーの人気の秘密。クリーニングよりお財布にやさしいところも、家計を預かる人には嬉しいポイントかもしれません。
長雨で洗濯物が乾かない…と嘆くのではなく、洗濯が少し楽しくなるソーシャルランドリー。
これからもっと増えると、地域の活性化にもつながるのではないでしょうか。