2018年の”食”のキーワード「フードロス・チャレンジ」

9421fb081741b92775527961af812aa4_s昨年あたりから、ちらほらと耳にすることの多くなった”フードロス”というワードをご存知でしょうか。

日本の食料自給率は、先進国のなかで最も低い約70%。非常に多くの食材を輸入に頼っていますが、にも関わらず年間600万トン以上もの食品を食べずに捨てています。

あまりに膨大な数でピンときませんが、1杯のご飯を毎日まいにち日本人全員が食べずに捨てている計算になるとのこと。このような現象が起きている背景には、外食店・家庭での食べ残しや、食品流通業界の商慣習である”3分の1ルール”があると言われています。

3分の1ルールとは何かといえば、食品の製造日から賞味期限までの日にちを3分割し、納入期限を製造日から3分の1の時点まで、販売期限を賞味期限の3分の2の時点までとしたものです。
例えば賞味期限が製造日から半年だった場合、販売は製造後4ヶ月まで。つまり、賞味期限を迎えておらずまだまだ食べられるものが、大量にそのまま捨てられていたのです。

cc35cdcd3e1e17d997b7649a92cb790c_sいまではこの問題に疑問を持っていた各食品メーカーの訴えにより、ルールは多少緩和しつつあるとのこと。
また、生活に困っている人々へ食品を無償で提供するフードバンクでは、3分の1ルールで販売できなくなった賞味期限内の食品を提供するなど、食べ物を捨てずに活用する流れができつつあります。

このように企業が対策に力を入れ始めたのは良い傾向ですが、フードロスの約半数は家庭から出ているのだそう。つまり、家での食べ残しや冷蔵庫内に眠っている賞味期限を大幅に過ぎた食品を極力減らすことが、フードロス対策の大きな要なのです。

昨年より賞味期限の表示が「年月日」から「年月」へと変更されましたが、これは家庭で起きるフードロス対策の一環としてはじまったもの。賞味期限が「2018年1月3日」と記載してあれば、1月3日を過ぎると食べるのを躊躇してしまいますが、「2018年1月」とあれば、1月31日までは大丈夫だろうと、皆が口にする期間が少し延びるわけです。

26904e318a34a51a25579c3eeb2e5c05_sそもそも賞味期限は”美味しく食べられる期限”のため、多少期間が過ぎても問題ありません。

なかでも卵などの生ものは、賞味期限を過ぎると危険だと思い捨ててしまう人も多いですが、卵の賞味期限は”生食でも大丈夫”という表示。パックに「賞味期限が過ぎたものは火を通してお召し上がりください」とあるなど、多くの食品が調理方法を工夫すれば、賞味期限後も問題なく食べられるのです。

2018年のキーワードである「フードロス・チャレンジ」。
まずはご家庭の冷蔵庫からはじめてみませんか。