ここ数年アメリカでのブームを発端に、イギリス・フランス・オーストラリアと、海外では抹茶が空前の人気となっています。
なかでも“カフェの街”として世界的に知られるメルボルンでも、コーヒーに次ぐドリンクとして抹茶が人気となっているとのこと。ミルクで割った抹茶ラテやスムージーなど、アレンジドリンクも続々と考案されている模様です。
そんな日本の伝統文化である“抹茶”ですが、ルーツはといえばお茶の本場である中国。緑茶のみならず、発酵度によって白茶・青茶・黒茶など6種類に分類される中国茶には、数百種類ものお茶が存在するといわれていますが、この中国茶がヨーロッパへと渡り花開いたものが、イギリスのアフタヌーン・ティー文化。
中国茶の分類のなかでも発酵度が5番目に高い紅茶ですが、実は1600年代に中国からイギリスに緑茶が運ばれる途中、湿度と温度が高かったせいで自然と発酵が促されることに。それが結果的に現在のブラックティーとなり、イギリスの紅茶文化となっていったのです。
日本にお茶が伝来したのはイギリスよりさらに早い1190年代の鎌倉時代。地理的に近い中国と日本だからこそ、イギリスのように緑茶が発酵することなく緑茶のまま伝わり、現在の“MATCHA(GreenTea)”となったわけです。
つまり日本が温かい場所に位置していれば、もしかすると現在のお茶文化はなかった可能性もあるのです。
そんな歴史から始まった日本の茶道文化ですが、最初にお茶の栽培が始まったのは京都の宇治。宇治をはじめとした日本産の抹茶は海外でも高級品として位置づけられていますが、その理由は、あの美しい緑色を生み出すため日陰で丁寧な栽培されているため。
ここ数年のブームとともに、海外でも抹茶の栽培が盛んとなっていますが、日陰で育てることなく、茶葉を釜で炒って酸化防止を行うため、お茶を点てても全く泡立たず香りもないのだそう。
日本ツウの外国人のなかでは、MATCHAは高級でありながらも日本産しか飲まないといった声もあるようです。
粉砕した茶葉の栄養を丸ごと摂取できる抹茶は、エイジングや成人病の予防に一役買うとの研究も。せっかく良質な茶葉が手軽に買える日本にいるのだからこそ、MATCHAを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。