起き抜けの喉を潤し、顔を洗いシャワーを浴びたりと、日常生活になくてはならない液体である水。
私たちの体の約8割は水で構成されているほか、「青い惑星」と呼ばれるように、地球上の表面の約7割も水で覆われているなど、最も身近な液体と言っても過言ではありません。
にもかかわらず、実はイマイチその正体が良くわかっていないという不思議な物質でもあるのです。
お茶を沸かすために水を沸騰させたり、冷たいドリンクを楽しむために冷凍庫で氷を作ったりと、水は様々な形へと変化しますが、実は他の液体と比べるとこれらの現象は非常に変わっているとのこと。
100℃で水が沸騰することや、水が氷になると密度が小さくなることは小学校の理科の授業でも習う初歩的な科学ですが、これは水独特の原理であり不明なことだらけなのです。
一般的に地球上に存在する様々な液体は、温度の上昇とともに膨張し、なおかつ50℃程度の低い温度でも沸騰します。
では水はどうかといえば、先に説明したように、0℃〜約4℃の間までは膨張せず収縮するという特性が。また100℃という高温にまで温度を上げなくては沸騰しない特性も、他の液体と比べると非常に珍しいことなのです。
そのため水は「異常液体」とも呼ばれているのですが、そんな水の不思議な性質にまたひとつ近づいたとのニュースが、今年の春に飛び込んできました。
東京大学の研究グループが、水が極めて特異である起源を解明したとの論文を発表。この発見は、水が他の液体と比べてなぜ特異な性質を持っているのかを解明する一歩であり、様々な分野において広く波及しうるとされています。
また2014年には岡山大学大学院の研究チームが、100℃を超えても溶けない新種の”熱い氷”を発見したという驚きのニュースも。氷は温度や圧力によって結晶構造を変えることがわかっており、16種類が存在するとされていますが、高温高圧で水を氷らせることで、熱い氷ができることがわかったのです。
このように続々と異常液体の謎が解明されつつありますが、巷では水を使用した”燃料電池”や、水をゲル状に固めて作る”掴める水”など、水を使ったオモシロ実験キットも販売されています。
夏休みの自由研究にも使えるため、お子さんと一緒に自宅で水の不思議について研究してみるのもひとつ。もしかすると、未だ見ぬ世紀の大発見に繋がるかもしれません。