温泉旅行が人気の季節といえば、桜や紅葉を眺めながら風流にお湯が楽しめる春と秋。
気候が良いことも相まってこれらの季節は温泉のベストシーズンですが、寒いながら雪見の季節も温泉街の書き入れどき。ということで、「夏場に暑いお湯はちょっと…」というイメージからか、年間を通して温泉が不人気の季節といえばこれからの時期なのです。
夏休みの長期休暇は海や避暑地が人気となりますが、体力を消耗しがちな暑い時期にこそおすすめしたいのが温泉旅。なかでも夏の温泉旅が他の季節の温泉旅とちょっと異なるのは、温泉宿の選び方なのです。
旅先を探す際、ついついロケーションや美味しそうな料理に気を取られがちですが、夏の温泉旅行のポイントは何と言っても「泉質選び」。夏特有のだるさや疲れをリセットする癒しのお湯を求める旅を、楽しんでみてはいかがでしょうか。
まず泉質選びの前に考慮すべきところは、お湯の温度。「冬は熱いお湯、夏はぬるま湯」というのが温泉ツウの間で常識となっているように、この時期に訪れるのならば、まずは温度の低い温泉探しからスタートです。
夏場の自宅での入浴も、夏バテ予防として38~40度のぬるま湯に30分ほど浸かることが推奨されていますが、温泉選びもまさにこれと同じこと。
観光で歩き回りべた付いた汗をさっぱりと流せるほか、青青とした緑を眺めながらゆっくりと体を温めることで、夏ならではのリラクゼーション効果を得ることができるのです。
また源泉法によって、温泉は現在9種類の泉質にわけられていますが、夏におすすめのものは「炭酸水素塩泉」や「二酸化炭素泉」。アルカリ性の炭酸水素塩泉は、肌の角質を落とす効果があるほか、お風呂上がりにさっぱりとした清涼感を味わえるところが夏向き。
温泉の中にシュワシュワとした炭酸が含まれた二酸化炭素泉も、炭酸水素塩泉と同じく肌のピーリング効果が期待できるので、ベタベタ肌のリセットにはおすすめです。
なかでも二酸化炭素泉は”炭酸泉”としてスーパー銭湯でも最近人気となっていますが、あれらは人工的に炭酸を添加したお湯。天然の炭酸泉は日本では珍しく、またシュワシュワとした炭酸を発するには源泉掛け流しの鮮度の良いお湯が必要とあって、じつは希少なお湯どころ。
このように珍しい泉質に触れてみるのも、夏の温泉旅の醍醐味ですね。