高度成長期には、冷蔵庫・テレビ・洗濯機・炊飯器といった家電が普及し、それらはどんどん高性能化&小型化へ。
いまや一人暮らしであっても、これらが当たり前に揃う人は多いのではないでしょうか。
しかしながら、一向に普及が進まない家電があります。それが、食洗機。アメリカでは9割以上の家に普及しており、もはや洗濯機と何ら変わらない位置づけにあるのです。
ちなみにアメリカドラマのなかで50年前にタイムトリップをした女性が、「手で食器を洗っている!」と驚いていましたが、日本はまだ手洗い派の方が多数。家電大国でありながら、なんと50年も前から食器の洗い方は進化していないのです。
では、日本人の多くが食器洗いが好きかといえば、そんなことはありません。
とある調査によると、共働きで押しつけ合う家事のひとつが食器洗い。また20~50代の男女ともに4割程度の人が毎日の食器洗いに苦痛を感じていると答えているのです。
食洗機があればこれらの問題は解決するにも関わらず、これほど普及しない理由は”キッチンの狭さと食器の種類の多さ”という、日本の環境に要因があります。
まず、普及率の高いアメリカではビルトイン型(キッチンに埋め込むタイプ)の食洗機が当たり前。またキッチン自体が大きく食洗機そのものも大型のため、鍋やフライパンも丸ごと洗うことができるのです。
しかし日本の住宅事情に合わせてつくられる食洗機は、小型化の一途へ。また賃貸住宅ではビルトイン型を取り付けることができないため、さらに小さな据え置き型しか選択肢がありません。
そのためお皿やお椀程度は洗えても、鍋は入らない。ということで、食洗機があっても手洗いする必要が出てくるのです。
またアメリカの食事はワンプレートのことも多く、お皿もコップも食洗機可能ものもがほとんど。しかし漆のお椀や塗り箸といった、高温のお湯洗いに適さない和食器が多いことも、食洗機の普及を妨げている要因なのです。
ワンルームマンションに大型食洗機は難しいですし、お椀を家からなくすといったこともできません。ですが、光熱費削減を考えると食洗機はメリット大。手洗いの場合、1回あたり約70リットル(500mlペットボトル140本分!)のお水を使用していますが、食洗機であれば約9分1。
お湯を使用している場合はガス代も年間1万円近く節約できるのです。
将来的には普及が進むと言われていますが、まだまだ贅沢品のイメージが強い食洗機。
ですがじつはエコで光熱費を削減できるアイテムのため、一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。