遅い日の出に、早い日没。そしてどんよりとした曇り空の日も多いこの時期は、日の光を感じにくいからこそ油断して、夏場よりも紫外線対策を怠る方が少なくないようです。
しかしながら、2月の紫外線量は真夏の約8割。さらには曇りの日であっても晴れの日の8割近くの紫外線が降り注いでいるため、薄暗い2月の空の下であっても、日中は真夏の6割程度の紫外線は浴びているのです。
紫外線ケアと聞くと、真っ先に思い出される美容成分がビタミンC。手軽に摂取できるとあって、シミ・そばかす予防としてサプリメントを毎日飲んでいる方も多いですが、冬の紫外線ケアにはもしかすると、ビタミンCよりもビタミンAの方が有効かもしれないのです。
というのも、ビタミンCには「メラニンの生成を抑える働き」と「できてしまったメラニン(シミ・そばかす)に働きかける効果」が期待されていますが、これらは特に紫外線が強い夏場向けの対策。
夏場は、腕・うなじ・デコルテなどにもしっかりと日焼け止めを塗りますが、この時期はそこまで紫外線対策をしている方は少ないはず。日焼け止めをファンデーションの下地代わりに使用するなど、顔のみに紫外線対策を施している方が多いのではないでしょうか。
しかしこのように体の紫外線対策を怠ったまま外出すると、冬場であってもたった20分程度でで肌のビタミンAの量は4割にまで低下するとのこと。つまりビタミンCを補給するよりもまずは、壊された肌のビタミンAを補う方が先決なのです。
ビタミンAはシミ・シワだけでなく、ザラザラ肌や毛穴など様々な肌トラブルを防ぐ働きがあるのですが、紫外線によってどんどんと壊されているとなると、どれだけビタミンCを摂取したとしても、健やかな肌を保つことは難しいもの。
また、肌のエイジングケアには常に皮膚にビタミンAを貯蔵することが大切だというデータもあるため、冬場こそ緑黄色野菜やレバーといったビタミンA含む食材を積極的に摂取する必要があるのです。
しかし、だからといって全く日の光を遮ってしまうのは気をつけたいもの。日照時間が少なく、夏場よりも室内にこもりがちなこの時期は、ビタミンDが欠乏する方が増えているからです。
紫外線は健やかな肌を保つためには避けたいものですが、皮膚が紫外線を浴びることで生成されるビタミンDは、免疫を高める効果や、冬場の憂鬱な気分を軽減させる効果などが認められている成分。インフルエンザが猛威をふるっている現在、紫外線を浴びて生成されるビタミンDは、特に必要なビタミンなのです。
紫外線に長時間当たることは、皮膚がんやシミ・そばかすの原因になりますが、冬場は適度に紫外線を浴びなければ、ウィルスに負ける体になってしまいます。
ビタミンDは生成するために紫外線を浴びる時間は、20分程度。しかも手のひらだけに浴びれば良いため、顔・首・デコルテなどにしっかりと紫外線対策を施した”手のひら日光浴”で、この冬を乗り切りましょう!