子供のころ、金魚すくいですくってきた金魚を自宅で飼育した経験を持つ方は多いのではないでしょうか。
その際、水道水の入った水槽にそのまま金魚を放つのではなく、汲んだ水道水を半日程度外気に触れさせて”カルキ抜き”をしたはずです。
淡水魚を飼う際には必ず行われるカルキ抜きですが、ではなぜカルキを抜くかについて、知っている方は少ないのではないでしょうか。
カルキと聞くと、蛇口のまわりにこびり付いている白い結晶を思い浮かべる方が多いようですが、これは水に含まれるミネラル分が固まったもので、カルキではありません。
カルキとはドイツ語の「クロールカルキ」の略語で、日本語だと「次亜塩素酸カルシウム」。
次亜塩素酸カルシウムは水に溶けると塩素が発生する成分で、水道水やプールの消毒に使用されているもの。
つまりカルキとは塩素のことで、”カルキ抜き”で行われていたものは実は”塩素抜き”だったのです。
塩素は病原菌などを殺菌する役目があるため、安全な飲み水のためには添加が必要不可欠な成分ですが、皮膚にとってはあまり良いものではありません。
とくに小さな体の魚にとって水道水の塩素は毒に近く、皮膚がただれたり呼吸できなくなるといったことが起きるため、カルキ抜きを行った水で飼育するのです。
塩素が肌にとって良くないことは知られるようになり、最近では塩素除去剤を取り入れた肌に優しいシャワーヘッドなどが人気となっていますが、実は高額な塩素除去装置を購入しなくとも、簡単に塩素を抜くことは可能なのです。
そこで登場するものが、レモン汁。
レモンに含まれるビタミンCの成分であるアスコルビン酸は、塩素と結びつくと一瞬でビタミンCと食塩と水に分解されるため、水道水1リットルあたりにレモン汁2滴程度を加えると、まろやかな水に早変わりするのです。
その他にも、ビタミンCのタブレットやサプリメントを少量加えても塩素除去は可能。オーガニック派であれば、ノンケミカルレモンのジュースを入れても良いですね。
この時期は特に肌がカサつきますが、塩素を含む水道水での入浴や洗顔は、余計に肌を乾燥させるといわれています。
また、洗顔料でゴシゴシと顔を洗うと皮膚が傷ついて炎症を起こすともいわれているため、冬の朝は塩素を除去した水のみで顔を洗うカンタン洗顔を実践してみてはいかがでしょうか。
化粧ノリの良いしっとり肌となるだけでなく、忙しい朝の時短にもなりますよ。