10月あたりになると、心の不調を訴えて病院に通う患者が増えるというのをご存知でしょうか?
これは「季節性感情障害」(SAD)と呼ばれるうつ病の一種で、「ウインターブルー」とも呼ばれます。
うつ病と聞くと、多忙やパワハラが原因で起こるといったイメージが持たれていますが、実はこのウインターブルーはちょっと特殊なもの。
”日照時間”と”こころの健康”が大きく関係しているのです。
日照時間が極端に少ないスカンジナビア半島やアラスカといった場所では、10人に1人がウインターブルーといった報告も。
北欧などでは深刻な問題になっていますが、冬でもそれなりに日差しのある日本では、ウインターブルーへの関心が薄く、単なる気分の落ち込みだと考えられていました。
しかし実験でも日照時間と心の健康の関係性ははっきりと証明されており、ドイツなどでは日照時間が少なくなると、地中海に太陽を浴びにバカンスに行くといった習慣もあるようです。
また北欧では、特殊なライトを用いて擬似的な夏を再現したサンルームや、同じく人工太陽光を手軽に浴びることのできる光カフェといった施設が人気となっているようです。
そんなウインターブルーは、今月末あたりになると多くの方が回復するのですが、まだまだ日が落ちるのも早く、鬱々とした気分に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
日本にはまだサンルームや光カフェは身近ではありませんが、実は身近にあるもので気分が少しポジティブになれるということが最近判明したのです。
それがお水。
”ダイエット中は、1日ペットボトル1本分以上のお水を飲みましょう”
”たくさんお水を飲むと、デトックス効果が期待できます”
など、これまで水を飲むことは身体に良いとされてきましたが、水をたくさん飲むことで「こころ」も元気になるのです。
海外で行われた実験によって判明したのですが、その実験内容はいたってシンプル。
これまで習慣的に水をたくさん摂取する人としない人をグループに分け、実験期間中はこれまでと反対の水分摂取量が義務付けられたのです。
するとその結果、普段水をたくさん飲んでいたのに飲む量を制限された人たちは、気分が落ち込むといった現象が現れることに。
反対にたくさん水を飲むことを義務付けられたグループは、ボーっとしたりすることが少なくなったのです。
もちろんこの実験には、
・普段たくさん水を飲む人たちが水分量を制限されたことによるイライラ感
・こころではなく、単に健康的な生活に近づいたことによる結果
といった懸念もありますが、何はともあれ水をたくさん飲むことは、良いことばかりのようです。
この時期、なんだかわからないけれども気分が落ち込むという方は、いつもより多めにお水を飲んでみてはいかがでしょうか。
目標は1日3リットル。少々多いと感じるかもしれませんが、気分がスッキリするかもしれませんよ。