寒い冬がやっと終わり桜の季節と思いきや、荒天で花が散ってしまったために、例年よりもお花見シーズンが短くなってしまいました。
春はお花見だけでなく、新しい顔ぶれとの酒席が続く季節でもありますが、大人であれば学生のように「お酒を飲む」のではなく「お酒にのまれる」のはいかがなものでしょうか。
お酒が好きな方であれば、ついつい雰囲気に流されて普段よりも多く飲んでしまいがちですが、大人の嗜みとして水を一緒に飲むことをおすすめします。
バーではお酒の味と香りを楽しむために、ウイスキーやバーボンを頼んだ際には「チェイサー」の有無を聞かれます。
チェイサーとは度数の強いお酒を飲む際、間に挟む飲み水のこと。
お店によってはこのチェイサーが炭酸水だったりジンジャーエールだったりするようですが、とにかく身体を労わりながらお酒を楽しむために出されるものです。
ちなみにチェイサーの由来は、カーチェイスのチェイス(追う・追跡する)からきており、酒の後を追うように飲むことから名付けられています。
アルコールの強いお酒を飲むと一気に血中アルコール濃度が高まるため、悪酔いや二日酔いを起こしがちですが、良い状態でお酒を楽しむために必要なものが、追い水であるチェイサー。
体内のアルコール濃度を適度に薄めつつ鼻や舌もリセットされるため、香りと味を都度楽しむことができます。
また良く知られていることではありますが、アルコール飲料は液体ではありますが水分補給にはなりません。
アルコール飲料を飲むと”汗をかく・トイレが近くなる”などの経験をする方がほとんどですが、この症状は代謝が上がっているために起こるので、おのずと体内の水分量は普段よりも少なくなります。
しかもアルコールはすぐに肝臓に到達する訳ではなく、胃・小腸を経てから肝臓でアルコールの分解酵素である「アセトアルデヒド脱水素酵素」が生成されるため、すぐには脱水症状は起こりません。
気持ち良くなり「眠くなってきたな」と感じた時あたりから徐々に脱水が始まるので、水を飲まずに酔いつぶれてしまうと、翌朝に頭痛やむくみを残す原因にも。
そのため飲んだ翌日に迷惑をかけない大人であるためにも、”お酒の傍らには水”が必須なのです。
飲み方としては、ビールなどのアルコール度数の低いものであっても、間に水を挟むことが望ましいです。
寝る前にコップ1杯程度の水を飲んでから寝るだけでも翌朝の目覚めが随分と違いますが、一気に水を飲んでしまうと胃液が薄まってしまうため、後追い水が身体に負担をかけ難い方法でしょう。
その他にも、酒席で頭痛や気分の悪さを感じた際は、水を飲んで早めに体内からアルコールを排出するなど、水はお酒に必要不可欠なもの。
周囲を見渡しつつ、お水を差し出す優しさも大人のマナーでしょう。
ただ、大人がお酒を嗜む最大のマナーはチェイサーの有無ではなく、自分の酒量を知ることかもしれませんね。