6月中旬頃までは水不足が深刻化するほどのカラ梅雨と猛暑が続き。
三重県津市では安濃ダムの貯水率がついに9.7%まで下がり、ダムの底はひび割れた地面が見えるほどになりました。
津市安濃町の正寿山 長徳寺には古くから竜王伝説が伝え継がれています。
昔昔、長徳寺の近くに龍が住んでいました。その龍が住職に龍のうろこと桜の種を贈り、雨乞いの方法を伝授したといいます。
そこで6月18日、その伝説にのっとった雨乞いの神事が行われました。この神事が執り行われるのは、実に8年ぶりのことです。
関東でも利根川水系8ダムで知られる八木沢ダム・藤原ダム・奈良俣ダム・相俣ダム・薗原ダム・下久保ダム・草木ダム・渡良瀬遊水地の平均貯水率が6月の貯水率としては過去20年間で最も低い52.3%まで下がり、水不足が心配されていました。
それが先週末から一転、梅雨前線と南からの湿った暖かい空気の影響で、中国・九州地方各地で大雨を降らせました。
度重なる大雨により、ついに冠水や河川の氾濫や土砂崩れになど災害が発生しました。
鹿屋市吉ヶ別府では、降り始めからの雨量が23日から72時間で450ミリを超え、6月として観測史上、過去最高の雨量に。
また、和歌山県新宮市では25日夜半から7時間で降り始めからの雨量が280ミリ、1時間の雨量が最大52ミリにもなりました。
広島県廿日市市では山中から水が大量に湧きだした後、突然土砂崩れがおこり、住宅がその下敷きに。住んでいた61歳の女性が死亡され、また、熊本県八代市では、女性が用水路に転落し死亡されるという痛ましい災害に。
例えば、崖に割れ目が見えたり、山鳴りがしたり、崖から小石が続けて落ちてくるような場合。そして、山中から急に水が湧き出してくるなどする場合です。
これらに気付いた場合には、万一に備えて取り急ぎ避難しましょう。
河川の氾濫も土砂災害も、あっという間に起こる場合が多く、これまでの雨で地盤が緩んでいますので、十分注意が必要です。
雨が続いた後はたとえ雨がやんでいても、河川や崖などには近づかない、危険を感じたらまず避難することが先決です。
そして、これから。梅雨の中休みとも思える曇りの予報ですが、曇りの予報であっても局地的にゲリラ豪雨になる可能性があるそうです。
ゲリラ豪雨の起こる要因は地上の気温と上空の気温の温度差にあります。
その温度差が32~33度ほどになると雨雲がどんどん湧き出してゲリラ豪雨になる可能性が高くなります。
そのような雨雲の影響で、前線が南の海上に南下して離れている時でも大雨を降らせるのです。
実は現在偏西風にのって、寒気がヨーロッパから日本上空に入ってきています。
寒気が入ると、上空の気温はマイナス6.8度ほど。
ということは、気温が27度位でもゲリラ豪雨の発生しやすい上空との温度差ということになります。
都市はアスファルトが多く地面が少ない為、排水処理能力以上の降水量になると、浸水や冠水の危険性も。
特にビルの地下や、高架下・トンネルなど高低差がないように思えていても、意外と中央部分が低くなっている場合もあります。
雨は低い所へ低い所へと急激に溜まっていきます。
降っている時間は短くても局地的な大雨で、浸水や冠水の恐れがあります。十分に注意しましょう。