平年よりも2週間ほど早く、関東地方の梅雨明けが7月6日に発表されました。
そして、九州から東海地方の梅雨明けも発表された翌7日、関東から西ではいきなりの猛暑に見舞われました。
この日は30℃を超える真夏日は全国で616地点、35℃以上の猛暑日を観測した地点は95カ所。熱中症で緊急搬送されたのは全国で600人にも及んでいます。
しかし、日中の気温が高くなるにつけ、心配されるのは夕方の豪雨です。
その日、東京では夕方になると猛暑から一転、急激な積乱雲の発達によりゲリラ豪雨や落雷・ひょうまで降りました。
落雷の被害は大きく、東京・埼玉を合わせ死傷者が5名。
埼玉県川越市では住宅1棟が全焼し、落雷によるものと視られています。
このような急激な積乱雲の発生は極端な暑さに起因しています。
この時期、上空5000m付近には-5℃の寒気があります。これは例年どおりで特別なことではありません。
ところが、上空の気温と地上の気温の温度差が40℃以上のひらきがあると、その気温差により上昇気流が発生します。
すると、地上の暑い空気が一気に上空まで上がり、逆に上空の寒気は地上へと下降していきます。
夕方、それまで暑かったのに急に冷たい風を感じた経験がはありませんか?
それは、暑い空気と寒気が上昇気流と下降気流で大きく循環していたからなのです。
その循環により、積乱雲が一気に湧きあがります。
7日は都内のあちこちでこの積乱雲が急激に発達し、荒川区ではひょうが降り、北区では落雷やゲリラ豪雨、江戸川区・台東区でもゲリラ豪雨に。
-5℃の寒気との気温差40℃ということは、地上の気温が35度を超えると積乱雲が発達しやすくなるということになります。
この日、練馬区では13:45に35.8度を観測していました。
その2時間後の15:50頃。それまで晴天の猛暑だったのが、各地でわずか10分足らずで黒い雲がたちこめ空は真っ暗に。
そして、落雷や激しく吹きつける様なゲリラ豪雨になりました。
雷雲の大きさをご存知でしょうか?
雷雲の幅は10kmもある、とてつもなく大きな雲なのです。
しかも、上空で移動している間に、近くで発生している雷雲同士がくっついて、合体してしまうことも。
すると、その雷雲の大きさは数十kmから100kmにも及ぶ場合もあります。
そして、私たちにとっての脅威は、その雷雲のどこからでも雷が落ちるということ。
雲のどこから落ちるのか、予測はつきません。一刻も早く避難した方が安全です。
そこで、避難する場所が問題になります。
大きな木やあずまやなどにも落雷の危険性が。雷には電流の流れやすい方に向くという特性があります。
もし、その落雷した木やあずまやの傍に人がいた場合、木は電流を通しにくいので、電流の通りやすい人に向かって流れます。
これを側雷(ソクライ)といいますが、それはまさに一瞬の出来事です。
木と比べると、電柱は電流を通しやすいので、近くにいても側雷の可能性は低いそうです。
安全な避難場所としては建物の中や車の中になります。
雷雲が何十kmもあれば、例え遠くで見えている雷が次の瞬間、自分の近くに落ちるかもしれません。
建物や車の中に急いで避難するようにしましょう。