2013年の夏は、猛暑に加えて大きな水害にも見舞われた年でした。
数年前からゲリラ豪雨という名前を頻繁に耳にするようになりましたが、やはりこの現象は、地球温暖化が大きく関わっているとのこと。
東京大学の研究チームによると、アジアとアフリカでの洪水リスクが、地球温暖化が進むにつれて高まると予想しています。
現に今夏、インド北部やインドネシア、フィリピンなどでは、数千人もの犠牲者が出る大規模な水害が。日本でも停電を伴う雷雨や川の氾濫にみまわれています。
また、あまり良い呼び名ではないですが、日本は「災害大国」です。
水害だけではなく、台風や地震などの自然災害も多く発生する国土のため、古くから防災関連の研究に力を入れてきました。
しかし残念ながらこれらの研究は、
”いかに自然災害の被害を最小限にできるか”
が焦点であり、災害を未然に食い止めることはできません。
そこで重要なことが個人レベルでの防災対策であり、
東日本大震災以降、自宅に非常袋を常備する方も増えました。
そんな防災常備品ですが、なかでも最も必要な物といえば、やはり水。
飲用にももちろん必要ですが、衛生面を保つためにも無くてはならないものです。
非常時に必要な飲料水は、一人当たり3リットル×3日分で、9リットル。
3人家族であれば27リットルの長期保存用備蓄水が、災害時に必要な水の容量だと考えると良いかもしれません。
ただ、長期保存用備蓄水は殺菌密封といった特別な処理を施しているため、
通常の飲料水よりも高価です。
27リットルもの備蓄水を購入するとなると、数万円もの費用がかかりますし、
なにより2リットルのペットボトルを何十本も置いておくのは、少々邪魔かもしれません。
しかしウォーターサーバーの場合、一本あたりの水の量は約10リットル~20リットル。
予備ボトルも、備蓄水と呼べる防災非常品の代わりになるでしょう。
また、停電になると集合住宅の高層階では水の汲み上げポンプが動かなくなるため、停電=断水に。
このような災害時に活躍する水が、バスタブの残り湯です。
雑菌が繁殖するため、湯をバスタブに残しておくことを嫌だと感じる方もいるでしょう。ただ防災の観点からすると、残しておくと非常に役に立つ、もしくは役に立ったという意見が、防災士の方や災害経験者の中には多くあります。
もし雑菌が気になるようであれば、除菌剤などを活用するとよいかもしれません。
そして家族全員の防災意識を高めるための行事を一つ提案します。
それは9月1日の防災の日に、備蓄しておいた保存食を食べてしまうというもの。
一年間無事に過ごすことができたという節目にもなり、また次の一年分の保存食を購入すること自体が、防災学習にもなります。
このような行事が各家庭で行われるようになると、より個人レベルでの防災意識が強まるのではないかもしれませんね。