“水”は古来より禊や清めの際に欠かせないものです。神社参拝する前には必ず手水舎で手をすすぎ、水を口に含めますがどちらも身を清めるための作法です。
禊の由来は古事記の中でも有名な伊邪那岐命(いざなきのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)のクライマックスの中に見られます。
伊邪那岐命と伊邪那美命は国生みを終えて神産みをし、最後に産んだ神が迦具土神(かぐつちのかみ)でした。伊邪那美命は迦具土神を産む時に大やけどを負い死んで黄泉の国へ行ってしまいます。
それを嘆き悲しんだ伊邪那岐命は黄泉の国まで伊邪那美命を追いかけます。しかし、黄泉の国で再会した伊邪那美命の姿はあまりに変わり果て、その姿に恐れをなした伊邪那岐命は慌てて現世に戻ってきます。
そして、伊邪那岐命は穢れた身体を洗い清める為に祝詞をあげて、禊を行います。そして、その時にお生まれになったのが天照大神(あまてらすおおみかみ)、月夜見神(つきよみのかみ)、建速須佐之男命(たちはやすさのおのみこと)という神話です。
伊邪那岐命が禊をしたのが、現在の宮崎県の阿波岐原森林公園 市民の森にある「みそぎの御池」と言われています。
この「みそぎの御池」も有名なパワースポットで、“水”にまつわるパワースポットには浄化の力があるといわれています。
関東各地にも水にまつわるパワースポットはありますが、実は都内にも存在します。
パワースポットというと“緑豊かな自然の中”というイメージがありますが、都心で体感することができるのです。
それは「目黒雅叙園」の中に。そこが都内であること忘れさせてくれるような庭園に出ると、そこには滝が。
滝の裏側を巡ることができるようになっていて滝の裏側に立つと、滝の流れる音が母親の胎内にいる時に聞こえる音に近いことから「胎内めぐり」とも言われています。特に女性が巡ると運気があがるとか。人気の高いスポットです。
その他にも、都内のパワースポットとしては知られているのが御岳山。
東京都青梅市にあり、神代杉や天狗岩、天狗腰掛杉、七代の滝、綾広の滝などのパワースポットが多数点在しています。これらのスポット全てを巡れるハイキングコースが作られています。
七代の滝は大小8つの滝が集まっているのですが、合計すると落差50Mもあるそうです。ハイキングコースから見えるのは一部ですが、滝の水流の勢いは岩を削るほど。マイナスイオンのシャワーを浴びて、身も心もリフレッシュできるスポットです。
天狗岩から綾広の滝に行く途中にあるロックガーデンと名付けられた岩石園。
川の中にある飛び石を渡り歩くことができるので、すずやかな清流をすぐ足もとで感じることができます。
そしていよいよ綾広の滝へ。
落差10Mほどですが武蔵御獄神社の滝行が行われる神聖な滝です。滝のごく近くまで行くことができるので、体いっぱいに“水”の気を受けることができます。
日々の暮らしの中でストレスや迷いを抱えて生きる現代人。“水”は浄化の力をもっています。たまに喧騒を離れて、“水”のパワーの恩恵を受けてはいかがでしょうか?