前回は東日本大震災で水道・電気・都市ガスの全てが止まったライフラインの復旧状況を例に、震災を振り返り一般的な防災グッズの他には実際にどんなものが必要か、また、あったら便利な物の中で「水」についてご紹介しました。今回はその後編です。
現代はオール電化のご家庭も増えまたが、電気供給が止まるとIHや暖房の使用もできなくなります。都市ガスも復旧には長期間かかりました。そこで、「電気・ガス」に対する備えとしては、カセットコンロとボンベがあると安心です。
避難所などに身を寄せていた人々が特に求めていたのが温かい食事でした。震災当日、避難していた人たちに回ったのはわずかなお菓子類くらいで、ほとんど食事らしいものはできませんでした。
翌日以降も支給されるのはパンやおにぎりが主になります。冷たいものしか食べることができないと人は体力と共に気力まで奪われ、食欲もなくなるという悪循環に陥ります。それは体力のないお年寄りや小さい子供ほど影響が大きくなります。避難していた方は温かい食事がどれほど大切か痛切に感じられたことでしょう。その為にもカセットコンロは揃えておきたいものです。
ところで、コンロでご飯を炊ける自信はどのくらいありますか?炊飯は電子ジャーに任せっきりの現代。コンロでご飯を炊いた経験がないという方も少なくないのではないでしょうか?たまにはコンロで炊いてみてはいかがでしょうか?普段からコンロで炊ける様にしておくと、いざという時に慌てずに済みます。在庫のボンベが1本という方は残量を確認しておきましょう。いざという時に残り少なくて慌てることにもなりかねません。
そして、冷蔵庫も電気が止まれば当然常温になっていきます。それにはクーラーボックスが重宝します。普段から保冷材を多めに冷凍庫に入れておき、できれば食材が冷えている内にクーラーボックスをに生鮮食品を移しましょう。冷凍していた食材も一緒に入れると保冷効果も高まり一石二鳥。悪くなるものから早めに調理して、貴重な食材を無駄なく使う事ができます。
冬であれば「暖房」も考えなければなりません。ファンヒーターも電気がなければ点けられませんので、電力不要な石油ストーブが望ましいといえます。また、車で外出することが多い場合は車にアルミシートタイプのウォームブランケットや厚手のコートを予備に備えておくと、外出先で震災にあった場合にも心強いでしょう。
「明り」には懐中電灯の他に、夜の時間を過ごすためのロウソクが必要になります。暗闇で特に気をつけなければならないのが階段の昇り降りです。今までに真っ暗な中で階段を降りた経験したことはありますか?暗闇の中、揺れる明りでの階段の昇り降りは非常に不安定になります。床置きのできるランタンも用意があるとより安心できます。
その他、携帯充電器の乾電池式タイプは必需品と言えるでしょう。連絡ツールとしても情報源として携帯は貴重になります。電力の復旧までテレビもパソコンも見ることができず、電話も不通になるからです。
そして、普段の買い物で一定量残っている内に買い足しておきたい代表的なものとしてはお米。震災後にお米がなかなか手に入らず困っている方も多く見受けられました。その他、レトルト類や乾麺類は大変重宝します。それからトイレットペーパーやティッシュ・おむつ・生理用品なども挙げられます。ペットを飼っているご家庭では、ペット用フードやペットのトイレ用品なども同様です。
何もかも用意するという訳にはいきませんが、実際にお宅でライフラインが全て止まった時のことを考え、シュミレーションしてみるということも大切かもしれません。その上で、最低限何を揃える必要があるかもう一度見直してみてはいかがでしょうか?